ピンポンパン徒然草   第 弐 段





 通信販売を利用してレコードプレーヤーを購入しました。

 僕が以前持っていたプレーヤーは修理不能な故障を来たしてしまったために中学生の時に廃棄処分にしているので、レコードが聴けるのは何と22年ぶりになります。早速手持ちのレコードをかけてみました。もちろんピンポンパンのレコードもです。

 まず最初に、最近手に入れた石毛恭子お姉さんのレコードを聴きました。恭子お姉さんの歌声、本当にいいなあ。何と表現したらいいのでしょうか、あたかも若い母親が自分の子供に愛情を込めて優しく歌を唄って聴かせてあげているように感じてしまいます。そして不思議なもので目を閉じて耳を傾けていると子供の頃の自分が鮮明に思い出されます。『キャンディマン』『ピンクのバニー』『ピンクの戦車』、そのどれもが子供心に大好きな曲だったのですが、実際にこれらの曲を聴くと期せずして感動してしまいつい涙ぐんでしまいました。本当に何て素敵な曲なんだろう!『レインドロップス』や童謡の数々も素晴らしく、いつの間にか童心にかえっていたのでした。

 ピンポンパン最後の佳子お姉さんの時代のレコード『ロボラボ、ピンポンパン』もなかなかよいものでした。レコードが出たとき僕は中学三年生でテレビのピンポンパンは時々しかみていなかったけれど、今でも断片的に番組を思い出せます。レコードを聴いて新たな記憶の発見がありました。『オレたち虫ジョリ族』を聴くと、あっ、そうそう虫歯仮面とジョリジョリマンと一緒に彼らに変装したたくさんのチビっ子が出ていたなあ、とか、新兵ちゃんの声を聞くとあの優しい笑顔とピンポンパンジョッキーで手品をしている姿やおまわりさんに変装している姿などをハッキリと思い出せたのです。お姉さんの歌う『ピッチャップ坊や』はこのLPで僕は初めて知ったのですが、歌詞の美しさ、曲の軽快さ共に素晴らしいもので大のお気に入りのナンバーになりました。それとビッグマンモスの曲がこんなに良かったのかと正直ちょっと驚きました。『ぼくらは街の探検隊』『ゆくぞ!ビッグマンモス』が収録されていましたが、とても爽やかで気持ちよく聴けました。ああ、僕がビッグマンモスのメンバーだったらなあ!と今さらながら........。(大笑)

 他のレコードも聴いてみました。ゆきえお姉さん、かおりお姉さんの歌も堪能しました。そのすべてが楽しさ、優しさに包まれていました。大人たちが安らぎの気持ちや夢を持つことが決して容易ではなくなった時代に生きているからこそ、ピンポンパンの曲に触れることって大切だなあとしみじみ感じています。そしてこれらの素晴らしいピンポンパンの曲を今の子供たちにも聴かせたいという思いはつのるばかりです。多くの方々にピンポンパンの名曲の数々を紹介できるよう引き続き努力いたします。