ピンポンパン徒然草   第 参 段





 ピンポンパンの歌は、歌詞によってその素晴らしさがいっそう引き立っているように感じます。

 例えば、かおりお姉さんの最終回でエンディングに歌われた「コングラチュレ−ション」の歌詞の一部を示してみましょう。

『コングラチュレ−ション おめでとう 空に輝く陽が昇る ....... / 初めて出会ったあの日のことは 心に残る楽しい思い出 いつの日にもそばにいてくれた 君の笑顔 ありがとう / コングラチュレ−ション おめでとう 頬に涙は落ちるけど コングラチュレ−ション ありがとう 感謝の愛の涙です / きのう見つけたしあわせの花を きょう見つけた夢のリボンで 明日へ続く勇気とともに 花束にして送ります ..... /』

 いかがでしょうか? 歌詞を読むだけでもとてもさわやかな気持ちになりますよね。最近僕はこれほど詞に込められたメッセージがストレートに心に響く歌には出会っていません。しかもメロディーの方も親しみやすく覚えやすいので世代を問わずに楽しめる歌だと思います。

 一つ一つ例を挙げるとキリがないのですが、次に僕の大好きな曲の一つである「キャンディマン」の歌詞に次のような一節があります。

『もしもきみが さみしくて / だれかとおはなし したいとき / ほらキャンディマン それはいいひとさ / トランクいっぱい おはなしもってる いいひとさ ..... /』 だれもが子供の頃に遊び相手がいなくて一人ぼっちでつまらない思いをした経験があるでしょう。その空しさを幸せで満たしてくれるような、そんな優しさを感じませんか? プロのミュージシャンでキーボーディストの小川文明さんもこの部分に大変に惹かれるそうです。

 でも優しさばかりではないですね。ビッグ・マンモスの歌には気分が落ち込んでしまったときに励まされるような、そんな力強い歌詞の曲が数多くあります。「ヒーローになれ!」では次のように歌われます。

『たたかいは くるしくても / まけるなよ つよきでいけ / あのほしを つかむんだ / じぶんをしんじて ..... / じぶんのドラマの すじがきは / じぶんのからだで かんがえろ ..... /』 とてもきびしいけれど温かさを感じる詞ですね。

 最近知って好きになった歌、けいこお姉さんの「ピッチャップ坊や」の歌詞もなかなかステキです。

『そらのくにから やってきた / とてもちいさな あめつぶぼうや / かえるたちと ピョンピョン ピッチャップ / たのしく おどる げんきな ピッチャップ ...... / てるてるぼうずと にらめっこ / まけてわらった あめつぶぼうや / くもがきれて バイバイ ピッチャップ / おひさまよぶよ げんきな ピッチャップ / にじをわたり さよなら ピッチャップ / おそらへかえるよ かわいい ピッチャップ ........ /』

 この曲を聴いた子供たちは一体どんな雨つぶ坊やを想像するのでしょうか? 「雲が切れて日がさしたら、雨つぶ坊やが空に帰っていく」なんて童話のようでとてもロマンチックです。挿し絵が描けそうですね。

 ピンポンパンでは言葉遊びもできるような、あるいは言葉の響きやリズムを楽しめるような曲も数多くあります。これは大人にとってはやや退屈な感はありますが、子供たちにとってはきっと楽しくて愉快なものでしょう。

 メロディーだけでなく、歌詞を味わうのもピンポンパンの音楽の楽しみ方である、と言えそうです。あなたが心惹かれた曲の歌詞をぜひ教えてください。